Millard 先生の画像出典:http://calder.med.miami.edu/Ralph_Millard/

口唇はなぜ割れてしまったのだろう?

”口唇”は哺乳動物に進化して獲得した構造です。
生まれて、哺乳するのに適応したものでしょう。そして哺乳動物の種によって鼻や口の構造はだいぶ異なります。

ねこや犬では鼻は色黒で湿っています(鼻鏡)。上口唇の人中(上唇溝)は溝状で口から水分を毛細管現象で鼻鏡へ供給しています。これは鋭敏な嗅覚を使うためだと言います。

さて、ウサギでは鼻には毛がはえています。そして上唇は左右に分かれて口唇の粘膜はそのまま鼻へと移行しています。左右の上唇は開閉できて、鼻孔も閉じられるようです。

中央で割れているうさぎの上唇から「兎唇」という言葉は、口唇裂をさすのですが、口唇裂を動物に例えては差別用語とされて今では使われなくなっています。

うさぎ達にとってはこの状態が自然なのですけれどもね。

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人間の口唇口蓋裂の発生

正常な口唇は「鼻と口唇の中央」、「左の口唇」、「右の口唇」という3個のパーツからできています。子宮内で受精卵ができてから、4〜7週の間にできあがるのです。

同様に、口蓋は、真ん中の「中間顎」と左・右の顎組織がついてできます。
それは口唇よりもやや遅く、7〜12週にできあがります。 

この時期に何らかの原因で3個のパーツが、癒合できなかったときに、口唇裂、口蓋裂が生じると考えられています。

ひとは受精卵から第7週までの時期には、誰でも繋がった口唇は出来ておらず、わかれてる状態なのです

次のページでは口唇口蓋裂の裂の形を紹介しています。
このような発生のことが判れば、左唇裂、右唇裂、両側唇裂があることが理解できると思います。そして、口蓋の出来る時期がずれていることで、口唇口蓋裂、唇裂だけ、口蓋裂だけの場合があるのです。

発生学の基本的な図を載せますが、専門的な内容となりますので、詳細説明は省かせて貰います。

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日本口蓋裂学会のサイトから、口唇口蓋裂を初めとした先天異常の発生時期についてまとめた図表がありましたので紹介します。中段に唇裂、下から二段目に口蓋裂があります。